風薫る5月になりました。

今月も読んで楽しい気分になる話題に絞ってお届けいたします。

どうぞよろしゅうに。

※商品やお店の話題になることもありますが、#PR(商品紹介)などの広告活動は一切しておりません。

月間京都 2025年5月号(青もみじと苔庭)

特集内容

●隠れ青もみじと苔世界に憩う
●ひみつの苔庭に癒やされる
●青もみじに包まれる電車
●青もみじが素敵なレストラン
●青もみじが美しいカフェ
●青もみじのライトアップ情報
●青の季節の葵祭案内
●春から初夏の花風景情報

2025年(令和七年)5月(皐月)第1週の話題一覧

5月7日(水):「コンクラーベ」

5月6日(火):鯉の滝登り見たことありますか?

5月5日(月):「さつき」と「つつじ」は同じか違うか?

5月4日(日):「あやめ」と「しょうぶ」は同じか違うか?

5月3日(土):「文化勲章の香りとは?」

5月2日(金):「なんで5月は皐月なの?」

5月1日(木):「京都迎賓館は有料なのに超お得!」

2025年(令和七年)5月7日(水)の話題

今日の話題:「コンクラーベ」

NHKでは

次のローマ教皇を決める選挙、コンクラーベが日本時間の7日夜からバチカンで始まります。

と伝えています。

「コンクラーベ」はイタリア語ではなくラテン語語です。

NHK記事のリンク先に詳しい説明があります。

コンクラーベとは
新しい教皇は、教皇に次ぐ地位にある枢機卿たちによって「コンクラーベ」と呼ばれる選挙で選ばれます。

「コンクラーベ」とはラテン語で「鍵がかかった」という意味で、13世紀に教皇の選出が紛糾しておよそ3年にわたって空位が続いた際に、怒った市民が枢機卿たちを閉じ込め、新しい教皇を選出させたことがその由来とされています。

(中略)

投票総数の少なくとも3分の2を獲得することが必要で、初日は午後に1回、2日目と3日目は午前と午後に2回ずつ投票が行われ、要件を満たす人が出るまで繰り返されます。

初日を含めて3日間、教皇が選ばれない場合は、最長で1日祈りなどの期間を設けてから再び投票を始めます。

投票の結果、教皇が決まらない場合は煙突から黒い煙があがることになっていて、新しい教皇が決まると礼拝堂の煙突から白い煙があがり鐘が鳴らされることになっています。

 

説明にありますように「コンクラーベ」では

定められた当選得票数に至るまで選挙投票が繰り返されることになります。

では、最も長くかかった期間は?というと

驚くなかれ

1268年から1271年までの2年9か月

だそうです。

「えーっ! その間、ずっと選挙してたの?」

はい、まさに根競べ(コンクラベ)...

2025年(令和七年)5月6日(火)の話題

今日の話題:鯉の滝登りみたことありますか?

今日で今年のゴールデンウィークが終わりです。

日本全国的に雨に見舞われていますが、昨日は天気も良く、こいのぼりも気持ちよさそうにおよいでいました。

「こいのぼり」といえば

♬ 甍の波と雲の波~ ♬

ですよね。

甍の波とは瓦屋根が連なった景観のことです。

この「こいのぼり」の歌、

3番では、鯉がたくさんの滝を上って龍になるという歌詞です。

つまり「鯉の滝登り」をうたっています。

観光ガイドをしていると「鯉の滝登り」を模した造りの庭園が多いので

説明する必要があります。

ザックリ調べると

『後漢書』(李膺伝)や『三秦記』(さんしんき)などの中国の文献にある

というような記載になります。

ところが!

さらにその文献を調べると、「鯉」とは一言も書かれていません。

これは困ったと、じっくり調べると後漢書などではなく、

日本人大好きな唐の詩人白居易(はくきょい)の詩がネタ元になっているようです。

「鯉魚跳龍門」(『白居易集』)

このいきさつは長くなるので省略させていただきますが、私は

「鯉の滝登り」というエピソードは白居易の詩から来ています。

と説明するようにしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・

まぁ、どっちでもいいかと思いながらもAIに「どうして鯉なのか」聞いてみました。

聞くなら中国の故事ですから中国製AIであるDeepSeekですよネ。

日本独自の解釈
中国では「黄河の魚全般」だった話が、日本では「鯉」のみに収束した理由:

鯉の滝登りが実際に観察されやすかった(日本の河川では鯉が目立つ)。

いやいや、マジですか?

日本では鯉の滝登りを実際に観察されやすい

そうです。

これはガイドネタに使えますね。

今度お客様に聞いてみます。

「鯉の滝登り見たことありますか?」

2025年(令和七年)5月5日(月)の話題

今日の話題:「さつき」と「つつじ」は同じか違うか?

「あやめ」、「しょうぶ」、「かきつばた」の話をしたら、私の周りにいる花大好き人間たちが大騒ぎ。

花が好きすぎる人の話は細かすぎて、よけいムズイです(涙)。

そこでこの時期定番のネタ、「さつき」と「つつじ」の違いです。

この件については花大好き人間たちから良いこと教わりましたので皆様と共有いたしますネ。

当初、私は「さつき」と「つつじ」の違いについて自信がありました。

  • おしべが5本:さつき確定!
  • おしべが6本以上:つつじ確定!

だったのです。

ところが花大好き人間たちによると

さつきやつつじは人気があるので品種改良も進み

  • おしべが5本以上あるさつき
  • おしべが5本のつつじ

もあるそうです。

マジ...ですか。

でも花好き廃人、いや失礼しました、達人たちが言うのは

  • ぽつぽつと咲いているのがさつき
  • まとまって一斉に咲いているのがつつじ

これはもう慣れれば遠目からでも即判別できるそうです。

調べれば咲く時期だとか葉の形などいろいろあるのですが、この方法が一番早くてわかりやすいとか。

廃人、いや達人たちも、たまには良いこと教えてくれますねぇ。

さつきも同じ言い間違い、わざとしたでしょ。」

あれ、意図がつつじ(通じ)ちゃいました?

でも廃人にはリスペクトの気持ちも入っているんです。

2025年(令和七年)5月4日(日)の話題

今日の話題:「あやめ」と「しょうぶ」は同じか違うか?

さすが図書館、丁寧かつシンプルに教えてくれていますね。

「あやめ」と「しょうぶ」は同じ漢字で「菖蒲」です。

「あやめ」はアヤメ科、「しょうぶ」はショウブ科の違う植物です。

でも「はなしょうぶ」はアヤメ科です。

はい、よくわかりましたネ。

「...って、ちっともわかりませんよ!」

あらら、そうですか、困った子ちゃんですねぇ。

ではこれでどうでしょうか。

花の根元の筋が

網目状:あやめ

黄色:しょうぶ、

白:かきつばた

です。

これでもう安心ですネ。

「何が安心よ、根元の筋って何よ、

余計わかりませんよ!

それに「かきつばた」って1つ増えちゃってるじゃない!」

それは失礼しました。

「かきつばた」も「あやめ」や「しょうぶ」によく似ています。

実は私も見分けることできないんです...(涙)

「三つ子さんですか?」みたいな感じです。

「ように似てはりますなぁ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

では一応の公式見解まとめておきましょう。

あやめ(菖蒲)

花びらの根元に網目模様!

少し乾いた場所が好き

しょうぶ(菖蒲)

実は花びらが目立たないから、見た目は葉っぱがメイン

お風呂に入れる「しょうぶ湯」で有名

はなしょうぶ(花菖蒲)

花びらの根元に黄色い模様がある

水辺が好きで、湿った場所に生えていることが多い

かきつばた(杜若)

花びらの根元に白い模様がある

しょうぶやはなしょうぶよりも、水があるところが好き

見分けるポイント

花びらの模様(網目・黄色・白)

生えている場所(乾いたところ・湿ったところ・水の中)

「黄色だったらはなしょうぶ、白だったらかきつばた」と覚えると良い

らしいですよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

見分けるのがこんなに大変だったとは...

これでは勝負にならない...

2025年(令和七年)5月3日(土)の話題

今日の話題:「文化勲章の香りとは?」

「えぇ?文化勲章?

文化勲章って11月3日の文化の日のやつでしょ、

今いつだと思ってるの、5月よ!

しかもゴールデンウィーク!

それに文化勲章の香りって...

ガイドさん、いよいよおかしくなってきた?」

はい、お気遣いいただき有難うございます。

その文化勲章なのですが、

このデザイン、何をモチーフにしていると思いますか?

5月といえば「皐月」でした。

他に「早苗月」とかある中に「橘月」。

そう、文化勲章のデザインは橘の花をモチーフにしているそうです。

「あら、文化勲章って橘の花だったの。

でも、なんで?」

よくぞ聞いてくださいました。

と言っても私も本で読んだだけですが

昭和天皇が文化勲章は桜より橘が良いのではとおっしゃったそうです。

なんでも桜は武士(つまり戦い)のイメージがあるとか。

たしかに...

大きな戦争があって余計にそう思われたのでしょうか。

「でも、なんで橘?」

ふたたびよくぞ聞いてくださいました。

天皇陛下からすると桜と並ぶものは橘になるらしいです。

ほら、御所の庭にある「左近の桜」、「右近の橘」。

「あぁ、雛飾りのお雛様の両側にあるヤツね。」

そうなんですよ、面白いですね。

「別に面白くないわよ!

その文化勲章がどうしたの?」

三度(みたび)よくぞ聞いてくださいました。

タチバナ(橘、学名:Citrus tachibana)は、ミカン科ミカン属の常緑小高木で柑橘類の一種である。(Wikipedia)

5月と言えば「皐月」、「早苗月」などに加えて「橘月」という話に戻しますね。

これは伊勢物語や古今和歌集で有名な

『五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする』

からきているそうです。

この歌はあまりに有名すぎて誤解や勘違いも多いようです。

各種書籍やネットにも様々な解説がありますので気になった方は調べてみて下さい。

ここでは2点だけ:

「昔の人」は亡くなった人(故人)ではない。

文字通り旧知の人だそうです。

袖の香は花橘の香と同じ香りではない。

昔の人が橘の花(ミカンの花)のにおいを衣服に付けていたという誤解がすごく多いそうです。

花橘の香は、昔の人が衣服に焚き込めていた香を想い出すことの、きっかけと言うか導入のような役目とのことです。

「うーん、よくわかんない...」

ですよね。

伊勢物語には、その際のシチュエーションが描き出されています。

行方知れずの女房を探している男が、ある時ある場所で出されたお膳に橘の花が添えてあったそうです。

その橘が載ったお膳を差し出した女の袖から漂う香りが、探し求めていた女房その人であることを告げている。

ザックリ、そんな感じです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

長くなってしまいましたが

橘のデザインの文化勲章はどんな香りがするのか?

それは文化勲章をかけた姿を見れば

授与された方の功績が香りだち、表彰されるのにふさわしいとわかる

と言いたかったのでした。

「文化勲章の香をかげば受賞者の功績の香ぞする」

ミカンの香ではありませんよ。

そんな失礼なこと言ってはみかん!

2025年(令和七年)5月2日(金)の話題

今日の話題:「なんで5月は皐月なの?」

5月の呼称は「皐月(さつき)」ですよネ。

難しい漢字です。

「でも、何で5月が皐月?」

なぜ「皐月」と呼ぶのか?
「“皐月”の“さ”は、田の神、あるいは、田の神に捧げる稲を表すといわれます。また、“早苗月(さなえづき)”の略だとする説もあります。

早苗の“さ”は、時期的に早く若々しいという意味の接頭語とも考えられますが、皐月の“さ”と同じと解釈することもできますから、やはり、田の神と関係があるのでしょう。

いずれにしても、作物が芽を出すとか、田植えの時期とか、

農業(稲作)に関連するようです。

そう言えば「さつき」とか「さなえ」って名前の人いますよネ。

5月生まれなのでしょうネ、きっと。

そう言えばジブリ映画トトロの女の子も「さつきちゃん」でしたっけ。

それよりカーリング女子の藤沢五月選手の方が思い浮かぶかナ?

藤沢五月選手は5月24日生まれだそうです。

「あぁ、わかった!

5月生まれだから名前が「五月」で「さつき」って読むんでしょ!」

あのねぇ、さっき言ったよねぇ...

2025年(令和七年)5月1日(木)の話題

今日の話題:「京都迎賓館は有料なのに超お得!」

京都迎賓館では20周年特別ガイドツアーを実施中です。

6月19日には芸姑・舞妓さんによる日本舞踊も拝見できると伝えています。

※ただし要予約!

実は私も京都迎賓館の20周年特別ガイドツアー参加してきました。

何が特別かと言うと

来賓おもてなし時の什器などが展示されていることです。(通常はただの部屋になっています)

生け花やウェルカムの御香などは焚いてありませんでした。(当然ですが...)

そんな特別なガイドツアー期間中の6月19日。

なんと芸姑・舞妓さんが日本舞踊を踊って見せてくれるそうです。

例の生け花やお香も焚かれているようです。

なのに料金は変わらず2,000円/人。

「めっちゃお得やん!」

というか、自分は損した気分なのですが

そんな風に損得を考えるのは迎賓館を拝観する人間として

げーひん(下品)でイカン